ロコ・ロンドン貴金属取引
ロコ・ロンドン貴金属取引は、
金融先物法による規制で
外国為替証拠金取引ができなくなった連中が編み出した
脱法的な証拠金取引です。
建前上の仕組み
建前上の仕組みは、こういうことです。
(分かりやすくするために、買建ポジションで説明します。)
まずあなたが、業者を通じて、ロンドン渡しの金の現物を100トロイオンス購入(売却の場合もある)したとします。
この100トロイオンスの金は現物ですが、それに相当する現金を支払う必要はありません。あなたは、この金を売却するときに、その売却代金で返済することになります。
例えば、金を1000万円購入し、暫くして1000万円で売れば、その売却代金で1000万円を返済します。
ところが、もし売却時点で金が1300万円に値上がりしていれば、売却代金から1000万円で返済し、手元に300万円残ることになります。あなたは300万円儲かったことになります。
逆に、1000万円で購入し、売却時点で700万円に値下がりしていれば、売約代金だけでは返済しきれませんので、あなたは、それに300万円を加えて返済することになります。あなたは、300万円の損をしたことになります。
このように、ロコ・ロンドン貴金属取引は、取引をするにあたり、本来、手元資金を用意する必要はないのですが、あなたが損をした場合、損失分を回収できないと困るので、あらかじめ業者は、担保をとります。これが証拠金といわれるものです。
取引にあたり、担保として証拠金を預託させておき、損をしたら、直ちに、その証拠金を没収するシステムです。取引途中でも、相場の変動で、計算上、預けてある証拠金では損失をカバーできなくなったときは、追加として証拠金を提出させます。これが追証といわれるものです。
ところで、この証拠金は、ドルで納めることになっています。
そこで、あなたは、業者に50万円を証拠金として提供し、業者は、この50万円をドルに交換して納めるのです。
この取引には、現実に、金の受け渡しを行う場合と、帳簿上の決済で処理する場合がありますが、現実には、ほとんど帳簿上の処理ですませます。
現実の取引
しかし、我が国で個人客向けに行われている「ロコ・ロンドン貴金属取引」は、世界中で行われている本来のロコ・ロンドン貴金属取引とは、何の関係もありません。
業者とあなたが、本来のロコ・ロンドン貴金属取引での金相場及びインターバンク市場での為替レートを参考にして、相対で金相場と為替レートで勝負しているだけの机上のゲームなのです。
これは、あなたが業者からもらったパンフレットを詳細に検討すれば、ちゃんと書いてあるはずです。
具体的には、こういうことです。
まずあなたは、50万円を証拠金として業者に預託しました。これにより、あなたは、業者に対し、「ロンドン渡しの金現物100トロイオンスを1取引単位とする取引を行う地位」を取得します。
ここから先は、全て机の上のゲームです。あなたの預けた50万円は、現実には、業者の事業費や飲食代に使われてしまいます。
まずあなたが預けた50万円は、その時のインターバンク市場を参考にして、業者が決めた為替レートでドルに交換したことにします。
つぎに、業者は、その時点でのロコ・ロンドン取引市場での価格を参考として、「ロンドン渡しの金現物100トロイオンス」を購入したことにします。もしその時の価格で100トロイオンスが1万ドルなら、1万ドルで100トロイオンスの金現物を購入したことにします。
1週間後、あなたは決済の意思表示をしました。すると業者は、その時点でのロコ・ロンドン取引市場での価格を参考として、「ロンドン渡しの金現物100トロイオンス」を売却したことにします。もし、業者が、その時の金価格100トロイオンスを9000ドルと決めたら、9000ドルで100トロイオンスの金現物を売却したことにします。
するとあなたには、1000ドルの損が生じたことになります。勿論、これは、業者の帳簿上の損であって、現実に金が動いた訳ではなく、損が発生したわけではありません。
業者は、この1000ドルの損をドル建ての証拠金から差し引いたことにします。そして、残ったドル建て証拠金を、円に交換したことにします。その時の交換比率は、その時点でのインターバンク市場を参考とします。
ここまでは、現実に行うのではなく、全て業者の机の上で「行ったことにする」だけです。
そして、業者は、証拠金残金相当額の現金を、他の顧客の証拠金から流用して、あなたに返金します。
現実に現金が動くのは、最初に、あなたが業者にお金を預けるときとお金を返してもらうときで、あとは、一切、現金も貴金属も動きません。ただ、業者が勝手に「動いたことにしている」だけなのです。
問題点業者にとって唯一の収入源は、あなたの損失金と取引手数料だけです。業者は、あなたの損失金と取引手数料から、事務所の家賃や給料、その他諸々の経費を支払い、さらに取引上利益をだしてしまった顧客に対する利益金相当額を捻出します。こうして残りがようやく業者の利益になります。
もしあなたが利益をあげたら、預けた証拠金に業者は自腹を切って、利益相当額の金員を加算し、あなたに返さなければなりません。
しかし、「取り引きしたことにする貴金属取引」であなたが損失を出したことにすれば、その損失額は返還する必要はなくなりますし、手数料も、返還する必要はありません。
このように、業者としては、あなたの損失が売上になりますから、あなたには何としても損してもらわなければなりません。
そのため、強引な建玉、仕切り拒否を駆使して、最終的には、あなたに損を発生させ、証拠金の返還をまぬがれようとするのです。
違法性このように、ロコ・ロンドン貴金属取引は、業者が提示する「ロンドン渡しの金の現物価格」及び「為替レート」を差金決済指標とする差金決契約です。仕組みは、外国為替証拠金と基本的に同じで、外国為替証拠金取引に「ロンドン渡しの金の現物価格」を加えただけの取引です。
したがって、外国為替証拠金取引の法理論が、ほぼそのまま、ロコ・ロンドン貴金属取引にも適用されます。 即ち、ロコ・ロンドン貴金属取引は、私的な丁半賭博の一種であり、民法90条に違反して無効です。